溶かして作る、ゴールドの指輪

By 北上 宗憲

大切な家族から譲り受けたジュエリーだから地金の買取などで現金化するのではなく受け継いで自分が使っていきたい。
そんな風に考えることはごく当然のことで、そしてとても素敵なことだと思います。


でもいざジュエリーショップに持って行くと「出来ない」と断られることも多いと聞きます。
本日はジュエリーの修理でご要望が多い「溶かして作り直す」という修理についてご紹介いたします。




最初に、この溶かして直す修理はなぜ断られるのか?についていくつか理由を説明いたします。
考えられることとしては以下の3点が主な理由だと思います。




1.難しい
2.量が足りない
3.本当に使っているか分からない






【難しい】


金属を溶かして指輪を新たに作るという作業は職人による手作業で行われることとなります。


その1点の為に地金を溶かして指輪の形に成形していく、その工程は通常の量産されているジュエリーを作るのとは手間が何倍も違ってきます。


そのため職人には熟練した技術を要しますし、それに伴い工賃もアップします。


お客様の大事な思い入れのあるお品物だから失敗も許されないため、承るお店にも相当の責任がともないます。


特に販売のみに徹している業態のショップになるとほぼ断られることが多いようです。






【量が足りない】


溶かして作る際には指輪の形に仕上げるまでに削ったり、研磨をしてピカピカにしたりする必要があるので今お持ちのジュエリーの総重量からおよそ10%くらいの減りを考慮して作ります。


なので溶かして作りたいジュエリー自体が細くて華奢な指輪だったりするとそもそもの地金の量が足りなくて作れないという可能性があります。


これに関してはお持ちのジュエリーがK18イエローゴールド同士ならば複数点を合わせて溶かすことも可能です。


その際に注意していただきたい点は地金の純度です。


当店では原則、溶かして作る指輪で受つけ可能な金属はゴールドであればK18以上の純度、プラチナであればPt900以上の純度を目安としております。


純度が低い地金はうまく溶けてくれなかったり製品としての不良の原因にもなりますので残念がなら承ることが出来ません。






【本当に使っているか分からない】




溶かして作ることが出来たとしても、出来上がったお品物が本当にお預かりした地金を使って作られたのかが分からないと不安でしようがないと思います。


工房を併設していないショップであればジュエリーの修理業者に加工依頼を出すのですが、そのお預かりした地金を本当に使っているかどうかはお客様には分かりません。


当店でもショップ内で全ての加工が出来ない為、加工業者に依頼をかけることとなるのですが、客様のお品物を溶かしてから指輪に作り上げるまでの工程を写真で記録いたしますのでその部分に関しては安心してお任せいただけます。

指輪が出来上がるまでの工程

これから実際にどのようにして指輪が作られるかをご紹介してまいります。

この写真はお客様がお持ちくださった指輪です。

ずーっと昔に購入した指輪だったのですが今ではもうあまり着ける機会がなくなってしまったとのこと。

でも思入れのある指輪だからこの指輪を溶かして新しくシンプルな指輪が作れたら...

そのようなご要望で当店までお越しくださいました。

金種は指輪の内側の刻印で確認することができます。


お客様の指輪はK18イエローゴールド、さらに地金の重量も程よくあり制作の条件に問題がございませんでした。


そして念願だった再生リングを作ることになりました。

写真は加工場の様子。


中々ショップでは見ることのできない現場の写真です。


写真の右手の小さいお皿にお預かりしたバラの指輪が乗っているのがお分かりいただけるでしょうか?


これに今からバーナーで火をかけて溶かしていきます。

バーナーの火力が出ないと金属を溶かすことができません。
ここは火力を強くして一気に溶かしていきます。。

ゴールドの金属が溶けてマグマのように赤く光っています。

そしてその溶けた状態の金属を鉄の金型に流し込みます。

この時に思い切りよく、さっと流しこなまいと綺麗な塊にならないので最新の注意が必要です。

こうして金の塊が出来上がりました。


この出来上がった金の塊をハンマーで叩きながら延ばしていきます。

叩きしめることで金属の分子がより強く結合し、硬くなっていきます。

ある程度延びたら、また火をかけて柔らかくします。

そしてまた叩いて延ばしていきます。

そして指輪を作るための必要な長さまで延ばすことができたら次に指輪の形に丸めていきます。


指輪の形に丸めていく時もハンマーで叩いて成形していきます。

指輪のつなぎ目の部分は糸鋸でカットした後に、ヤスリがけを行い綺麗にします。


このつなぎ目を溶接の加工でくっつけるといよいよ完成が近づいてきます。

高温に熱します。
つなぎ目の部分には溶ける温度が低いゴールドの金属を溶かして流し込んでくっつけます。

ロウ付けという溶接で繋げる加工の後はこれに磨きをかけて研磨することで金の美しい色味が現れます。
今回のご注文ではオプションでレーザー刻印の文字入れも承りました。


これが出来上がりの指輪です。

素晴らしい仕上がりになったと思います。
お受け取りにいらっしゃった際も大変ご満足いただきお喜びいただけました。


これからの人生でもずっと長く愛し続けていけそうなシンプルなフォルムな指輪。
アフターケアの磨きはいつでも無料ですので是非ともまたお気軽にお越しくださいね。



指輪の制作の条件


当店ではお客様の思い入れのあるジュエリーを溶かして新たに生まれ変わった指輪を作ることが出来ます。


制作には主に以下の2点にご了承いただいておりますので是非ともご確認くださいませ。




1.作れるデザインはシンプルなストレートタイプの指輪
2.お預かりできる金属の純度はK18ゴールド以上、Pt900以上



■料金

溶かして作る再生リング
一律45,000円(税別)

オプション:文字の刻印
5,000円(税別)

ダイヤモンドの石言葉・意味・価格の相場が知りたい

パワーストーンや宝石などに興味を持つ人は、ダイヤモンドの石言葉についても聞いたことがあるかもしれません。でも宝石として有名であるということくらいしか知らない、という人の方がおそらく多いのではないでしょ...

GENTiL|ジャンティールキタカミ ブログ

ダイヤモンドの通販でおすすめのサイズと予算

最近はダイヤモンドの指輪を購入する際に、少しでも安く手に入れるために通販サイトを利用する人が増えているようです。 ただし通販でダイヤモンドを購入するときは、どれくらいのサイズのダイヤモンドを選べばいい...

GENTiL|ジャンティールキタカミ ブログ

価格にもデザインにも妥協しない、ふたりの理想の結婚指輪。

結婚指輪を探す時、ふたりの意見がぴったり合う最高の組み合わせを見つけるのって実は結構大変なことかもしれません。男女で体格もそれぞれ違えば指の太さや長さも千差万別です。それなのにお店にある結婚指輪は男女...

北上 宗憲 ブログ

初めての指輪選びも親身な接客で楽しく過ごせました

結婚指輪を探すことって、とても幸せで楽しい時間です。でも初めてのお買い物で、しかも決して安くないから、不安なお気持ちになってしまうお気持ちもとてもよく分かります。せっかくの一生に一度の幸せのお買い物。...

千田 梨奈 ブログ

ROCCIA(ロッチャ)一点モノのダイヤモンドジュエリー

女性であれば、子供の頃に憧れた宝石というものがあると思います。 キラキラと光る、彩とりどりのジュエリーを思い描いたことがある人も少なくはないでしょう。 そんなキラキラしたイメージを、そのままデザインし...

GENTiL|ジャンティールキタカミ ブログ